なかよしやっきょく のブログ
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たんぱく同化ステロイド2011/06/15 13:13

昨日のニュースはショッキングでしたね。
オリンピックに期待のかかった選手が、ドーピング検査で資格停止処分を受けてしまいました。
問題となった、ドロスタノロンは、たんぱく同化ステロイドの一種です。
これは、選手が競技中であるかないかにかかわらず、絶対摂取してはいけないと定められた薬物です。

今回はたんぱく同化ステロイドについてお話します。

皆さん、性ホルモンはご存知と思います。男性ホルモン、女性ホルモンですよね。
たんぱく同化ステロイドは、塗り薬でよく目にする「ステロイド」ではなくて、実は男性ホルモンから派生したものなのです。

男性は、二次性徴の際、骨格が発達して、筋肉がしっかりついた、いわゆる男らしい体格になりますよね。
そのとき働いているのが男性ホルモンです。
(余談ですが女性にも少しは存在しています。逆に男性にも女性ホルモンはあります。)
そして、いわゆる男性器に働きかけたり、髪を薄くしたり、といった男性化作用をできるだけ取り除いて、骨格や筋肉を増強させる作用が強くなるように作られたものがたんぱく同化ステロイドです。

日本の臨床では難治性の貧血、ひどいやけどなどによる怪我や小人症などの治療目的で使用されることがありますが、それ以外で見かけることはほとんどありません。

しかし、インターネットなどでは多数の海外のサイトでたんぱく同化ステロイド入りサプリメントが売られています。
筋肉がつく、力が強くなる、男らしい体つきになる、といった売り文句を見ると、ついつい手が出てしまう方もあるのかも。

たんぱく同化ステロイドには強い副作用があります。男性ホルモンと同様、前立腺がん増悪、排尿障害、女性には多毛症など、精神的な部分も含め、たくさんの副作用があります。

しかし、たんぱく同化ステロイドにより筋肉を得たとしても、ボディービルダーの方は別かもしれませんが、それがパフォーマンスの向上に結びつくかどうかについては疑問の声もあります。
危険を冒して得たものに対して代償が大きすぎます。

日本の選手の皆様は、これまでと同様、こういう薬物に頼ることなく、ストイックに競技に向かっておられると思っていましたので、病気にかかった際、うっかり禁止薬物を手に入れないように、私たちが気をつければよいと思っておりましたが、
この一件で、いまだ、ドーピングの代表薬物と言っても良い、たんぱく同化ステロイドに手を出してしまう状況、手を出せてしまう現状をまざまざと見せ付けられてしまった気がします。

私たちがより身近に相談できる相手として、もっと声を上げていかなければいけないと気が引き締まる出来事でした。

コメント

_ みよし ― 2011/06/19 15:19

アメリカのメジャーリーグでも一時期ステロイドが流行っておりました。
現在は規制が厳しくなっており、使用者も根絶されたように見えますが、
より検出しにくい、ヒト成長ホルモンなるドーピングに移行しているだけ、という推測もあります。

薬の力でパフォーマンスを向上させるというのは、あまり感心はしませんが、
そこまでしてでも良い成績を残したいというアスリートの執念のようなものを考えると、なんとなく切なくなってしまいます。

_ なかやま ― 2011/06/20 16:49

みよしさん コメントありがとうございました。

選手にしてみれば、すべてをその競技にかけてきて、みんなの期待にこたえるためにも、ここで結果を残さなければ、何のために頑張ってきたのか、結果を残すためには何だってやる…って気持になってしまうかも。

何かをがむしゃらにやるという人生についてふと考えてしまいました。

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