なかよしやっきょく のブログ
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たばこの悪いところ。癌だけじゃないです。2013/09/18 13:27

朝晩涼しくなりましたね。
お昼は驚くほど暑くなりますが、そのアンバランスも相俟って、風邪の患者さんが増えてきました。
そんなこんなで、近頃なかよし薬局でも、写真のようなしょうが関連商品がよく売れるようになりました。
しょうが湯よく売れます
でも、最近とくに気になるのが、COPDの患者さんの増加です。
COPDは、禁煙のコマーシャルなどで見かけるようになったので、ご存知の方が多いかもしれませんが、呼吸が苦しくなる病気の一種です。慢性閉塞性肺疾患:Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略です。
たばこを吸うことが原因で起こります。

たばこを続けると、肺の筋肉や組織の弾力性がなくなり、固くこわばってきます。(見た目もピンクからグレーに変わりますが、それだけではないのです。)なので、息を吸おうとしても肺が膨らまない、息を吐こうとしても肺が小さくなってくれないのです。大隔膜(呼吸の時に動く筋肉の膜)がいくら頑張っても、肺が伸縮しないのです。
そればかりではなく、気管支が炎症を起こしているので、痰がたくさん出ます。
息が出来ない、痰が絡む。苦しいですよね。
階段で息切れ。それは老化だけが原因ではないかもしれません。

もちろん体に必要な酸素が入ってきませんので、そこからいろんな弊害が出てきます。全身性弱い炎症が起こった状態になりますので、正常では分泌されないいろんな伝達物質がさまざまなところから放出されます。
それにより、伝達物質を受けた組織が暴走し、
全身性の炎症、
貧血、
抑うつ、
筋肉の減少、
代謝性疾患(メタボリックシンドロームなど)、睡眠障害などが起こります。

最初は気管支を広げるお薬を使用します。
それでもたばこをやめない方も多いです。
改善が見られず合併症が出てきてどんどん薬が増えていきます。

酸素吸入をして睡眠をとるようになります。
酸素吸入の機械を借りて毎晩吸入する場合、月に10万円もかかると聞いたことがあります。
機会をつけると頭部を固定する感じになりますので、ほぼ眠れません。

これは困ります。
今後の人生をしっかり守るため、こうならないうちに、タバコを辞められる方が増えてくれるといいなと思う今日この頃です。

オリンピックとドーピング2013/09/11 12:44

2020年東京オリンピックが決定しましたね。
その瞬間をテレビでご覧になった方も多かったのではないでしょうか。
日本を盛り上げて、世界の人たちに恥ずかしくない大会を支えたいと思います。
決定した日の朝の番組で陸上の為末大選手が、「日本はドーピングが非常に少なく、クリーンなイメージがある。それも勝因の一つではないか。」と言っていたのが、印象的でした。
スポーツファーマシストのはしくれの私としては、この言葉に感銘を受けました。

さて、ドーピングの歴史ははるか昔紀元前に古代ローマのお医者さんが、選手に興奮剤を使用したという記録があるそうです。昔はコカの葉をかんだりしていたようですね。
その後の歴史ではアヘンなどの麻薬を競馬の馬に投与したり、カフェインを大量に摂取して選手を興奮状態に導いたり、そういうドーピングが行われていたようです。
近年のドーピングでは、使用薬品は興奮剤のみならず、自転車のアームストロングさんで有名になった、エリスロポエチンなどの造血剤や、、精神安定剤も集中力を高めるために使用されたり、そうそう、忘れてはいけないのが、最も多く検挙される、野球選手も多く使用していた、筋肉をしっかりつけるためのタンパク同化ステロイドや男性ホルモンなどがあげられます。今はそういう薬を隠すために使用される利尿剤なんかも禁止薬物に指定されたりしてます。禁止薬物は本当にたくさんあります。

日本人は確かに検挙されることが少ないようですが、1964年の東京オリンピックの際、「あがりどめ」としてうっかり精神安定剤を飲んだ選手が処分されたり、その後も「風邪薬」を飲んで、中に含まれる「興奮剤(メチルエフェドリンなど)」が検出されたりして、いわゆるうっかりドーピングで処分されるケースが見受けられます。
「強くなりたい」からやってしまうドーピングではないわけですね。

医療制度がきっちりしている日本では、簡単には処方箋なしで強くなれる薬は手に入りにくいのですが、スポーツドクターが少ないので、うっかりコーチが購入して与えた薬がだめだったなんて事があるのです。外国は逆にドクターが強くなる薬をわざと与えるケースもあるようですが…。

うっかりとは言ってもドーピングはドーピングです。ここをきっちり押さえて、クリーンなジャパンのイメージをしっかりと守っていきたいと思います。
スポーツドクターの少ない我が国、われわれスポーツファーマシストがいつでも相談に乗りますよ♪

さて写真は、秋に実っている白ゴーヤです。結構9月一杯取とれるのですが、この時期のゴーヤはなぜかとても苦い。だいたい苦すぎるときはゴーヤチップスにしてしまうのですが、何かほかにいい方法ないでしょうか?ご存知の方教えて下さいませ。
今年最後の白ゴーヤ

ポリフェノールってどんなものでしょう2013/09/04 13:08

本日、こちら岡山では、激しい雨と風の影響で、さまざまな場所で通行止め、住居への浸水などの被害が出ております。
窓から見る外の風景は、モノクロで、少しさびしい感じがします。幸い薬局は無事ですが、皆様何ごともなくお過ごしでしょうか。
こんな日はおうちでゆっくりと、お茶でも。
さて、突然ですが、そのお茶に含まれる、カテキン。これはポリフェノールの一種です。
ポリフェノールには、抗酸化作用があって、成人病の予防や老化の予防に効果的♪なんてうたい文句を良く聞くと思います。

そもそも、ポリフェノールって何なのでしょう。
じつは、ほとんどの植物が持っている成分で、これは、全て植物が自分自身の身を守るためであったり、生きていくうえで必要だから作りだしている成分なのです。
ポリフェノールの中には香り成分も含まれ、香水に使用されているものもあります。
それも、元々は虫が嫌う香りを出して、自分が食べられないようにするためだったり、他の動物を香りで誘って受粉を手伝ってもらうものだったり。

ポリ(たくさん)フェノール(ベンゼン環に水酸基(-OH)が一つくっついたもの)。有機化学の分かる人なら、あー、フェノールがいっぱいくっついた形なんだな、と分かると思います。なので一つではありません。何百、何千種類と存在します。
ベンゼン環がたくさんある(構造式はハチの巣みたいな感じです)と、活性酸素が作り出すラジカルという老化や病気の諸悪の根源の物質をキャッチしやすい構造になります。
それで、老化予防にポリフェノール、となるわけです。

そもそも、ポリフェノールを多く含む食べ物って何があるでしょうか。
お茶も有名ですが、実はコーヒー(豆)もたくさん含みます。
豆類にはたくさん含まれ、とくに大豆にはイソフラボンという女性ホルモンと類似した作用をもつといわれるポリフェノールが有名です。
また、岡山では「作州黒」で有名な、黒大豆(黒豆)の皮部分には大量のポリフェノールが含まれ、特に、低分子ポリフェノールの割合が多いため、吸収がよく、ポリフェノール摂取効率が非常に良いといわれています。

余談ですが、コーヒーにもダイエット成分で有名なクロロゲン酸などのポリフェノールが含まれますが、カフェイン(これはポリフェノールではないです)も入っています。カフェインは眠気覚ましの代表格の成分ですが、摂りすぎも良くないですし妊婦さんにもおすすめではないですし、夜飲むと眠れない人もいます。
デキャフェ(カフェインレス)のコーヒーは、コーヒーの生豆から、有機溶媒などでカフェインを抽出して作ります。なので、その際多くのポリフェノールが失われます。
最近はカフェインがもともと入っていない、黒豆を使用したカフェインレスのコーヒーもあるようですね。
これですと、カフェインレスでもポリフェノールがしっかりとれます。

というわけで、おまめやお野菜、しっかり食べて、よいポリフェノールをたくさん摂取し、健康な生活を送りましょう。

アルコール検査に引っ掛かる食べ物、お薬!?2013/08/27 13:01

岡山では先週末に大雨が降り、おかげさまですっかり秋めいてきました。
朝晩涼しくなり、よく眠れてありがたい今日この頃です。
夏休みの宿題が終わっていない子供たちを尻目に、大人たちはようやく安堵の声をあげているのではないでしょうか。
写真は患者さんが下さったかぼちゃです。観賞用で、食用ではないのですが、とてもかわいらしく、嬉しい気持ちになりました。
かぼちゃ=秋、という感じで、薬局に秋風が軽く吹いている気がします。
かわったかぼちゃ

さて、先日、かわった問い合わせを受けました。「お酒飲んでないのに、会社のアルコールチェッカーにひっ掛った。薬のせいではないか。」驚いて薬のメーカーに問い合わせましたが、「そういった報告はない」との事。
糖尿病などの持病のある方は体内のケトン体濃度が上昇するため探知されることがあるとは聞いていましたが。

次に、アルコールチェッカーのメーカーのHPを調べたところ、ありました。「薬によっては当社の検査器が反応してしまうことがあります。申し訳ございませんが今のところ対応法はありません。」
アルコールチェッカーは、半導体を使用しており、アルコール飲料以外のごく微量のアルコールを探知することがあるそうです。口内洗浄剤や入れ歯安定剤などでも。
どう考えてもアルコール入ってなさそうなものでも、探知するようですね。コーヒー飲料やジュース、タバコ、ヨーグルトなど、色々あるのですが、なるほどと思ったのは、発酵食品と糖質を一緒に食べた時、胃の中でアルコール発酵が起こり、吐息に出てくる。なんてことも。

対応法は、チェック前の飲食や服薬は十分気をつける。くらいしかないようです。…うーん、難しいっ!

お薬を飲むということ2013/08/20 13:08

お盆休みも終わり、酷暑の中、今週から本格的にお仕事を再開された方もいらっしゃると思います。
写真は、今年はあまりの酷暑でかどうか分かりませんが、例年よりずいぶん数が減ったハグロトンボです。蝶のようにひらひら飛ぶ姿は大変優雅で、私の大好きなトンボです。
グリーンカーテンにひょいと止まったところを、パチリ。
ハグロトンボ
さて、なかよし薬局には、お盆前、お休み中に薬が切れてはいけないと、たくさんの患者様が処方箋を持ってお越しでした。
ご旅行にお出かけの方、帰省してくる子供たち、孫たちを迎える方、その孫たちを外に遊びに連れて出るので、熱中症対策にOS-1をお求めの方…。
しかし、ときどき、ずいぶん前にお薬がなくなっているはずですが、まだ取りにお越しでない方もいらっしゃいます。
ご病気が悪くなってどちらかの病院に入院されたのだろうか、お引っ越しされたのだろうか、病院を変えられたのだろうか、と色々と気をもみます。

そんな方がひょいと数ヵ月後に現れて、前よりもきつい薬を出されてしまうことがあります。
たとえば、それが血圧の薬であった場合。
「もうようなったけん(もう良くなったから)思うて、薬やめとったんじゃ。ほしたら、えろー頭がいとうなって(そうしたらとても頭が痛くなって)、病院に来たんじゃ。ほんなら、血圧の上(最高血圧)が200もあるいうて、注射されて、医者に、薬もろうて(貰って)帰れ言われたんじゃ。」
高血圧は一般的に最高(収縮期)血圧が140以上、最低(拡張期)血圧が90以上と言われています。
薬を飲んで、140/90未満になったとしても、それは、薬を飲んでいるから下がっているのです。ご自身でよくなったと判断されて、服薬をやめた場合、元より悪くなることだってあります。

まだ若い方で血圧の薬が初めて処方された方。
「こんな薬を飲むなんて、年寄りになった気分だわ」と嘆かれます。
気持はよくわかります。
でも、高血圧の治療薬がなかった時代、知らずに高血圧の状態が長期に続くことで、血管がもろくなり、脳や心臓で血管が破れて、若くして寝たきりになってしまったり、命を落とされた方がきっといたでしょう。
それから考えると、医療、薬物治療というのは、元気で長く生きるということに、ご自分にはわかりにくい形かもしれませんが、貢献できていると思われないでしょうか。
「そうおっしゃらずに、薬があって、よかった、とお考えいただくのが、薬と縁を切る近道だと私は思っています。前向きに、薬と食事療法を受け入れて、一緒に頑張りましょう。」と話します。
本当に、そうなんです。薬を、真面目に飲んで、血圧が安定し、自分の食事や生活態度を変えることで、薬が要らなくなるのです。
こんなこと言うと嫌われるかもしれないのですが、決められた通り薬を飲んで下さい、と、医師や薬剤師が言うのは、こういう理由もあるのだ、ということを、ちょっとお話ししました。