なかよしやっきょく のブログ
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オリンピックとドーピング2013/09/11 12:44

2020年東京オリンピックが決定しましたね。
その瞬間をテレビでご覧になった方も多かったのではないでしょうか。
日本を盛り上げて、世界の人たちに恥ずかしくない大会を支えたいと思います。
決定した日の朝の番組で陸上の為末大選手が、「日本はドーピングが非常に少なく、クリーンなイメージがある。それも勝因の一つではないか。」と言っていたのが、印象的でした。
スポーツファーマシストのはしくれの私としては、この言葉に感銘を受けました。

さて、ドーピングの歴史ははるか昔紀元前に古代ローマのお医者さんが、選手に興奮剤を使用したという記録があるそうです。昔はコカの葉をかんだりしていたようですね。
その後の歴史ではアヘンなどの麻薬を競馬の馬に投与したり、カフェインを大量に摂取して選手を興奮状態に導いたり、そういうドーピングが行われていたようです。
近年のドーピングでは、使用薬品は興奮剤のみならず、自転車のアームストロングさんで有名になった、エリスロポエチンなどの造血剤や、、精神安定剤も集中力を高めるために使用されたり、そうそう、忘れてはいけないのが、最も多く検挙される、野球選手も多く使用していた、筋肉をしっかりつけるためのタンパク同化ステロイドや男性ホルモンなどがあげられます。今はそういう薬を隠すために使用される利尿剤なんかも禁止薬物に指定されたりしてます。禁止薬物は本当にたくさんあります。

日本人は確かに検挙されることが少ないようですが、1964年の東京オリンピックの際、「あがりどめ」としてうっかり精神安定剤を飲んだ選手が処分されたり、その後も「風邪薬」を飲んで、中に含まれる「興奮剤(メチルエフェドリンなど)」が検出されたりして、いわゆるうっかりドーピングで処分されるケースが見受けられます。
「強くなりたい」からやってしまうドーピングではないわけですね。

医療制度がきっちりしている日本では、簡単には処方箋なしで強くなれる薬は手に入りにくいのですが、スポーツドクターが少ないので、うっかりコーチが購入して与えた薬がだめだったなんて事があるのです。外国は逆にドクターが強くなる薬をわざと与えるケースもあるようですが…。

うっかりとは言ってもドーピングはドーピングです。ここをきっちり押さえて、クリーンなジャパンのイメージをしっかりと守っていきたいと思います。
スポーツドクターの少ない我が国、われわれスポーツファーマシストがいつでも相談に乗りますよ♪

さて写真は、秋に実っている白ゴーヤです。結構9月一杯取とれるのですが、この時期のゴーヤはなぜかとても苦い。だいたい苦すぎるときはゴーヤチップスにしてしまうのですが、何かほかにいい方法ないでしょうか?ご存知の方教えて下さいませ。
今年最後の白ゴーヤ

スポーツファーマシスト認定証!2012/04/11 19:24

試験を受けてから2カ月弱・・・ようやく到着しました!
晴れてスポーツファーマシストになれました♪
写真左下が認定証です。
資格は取ってからが大事なので、これから、しっかり勉強して、選手の皆さんのお役に立てるよう頑張ります!

スポーツファーマシスト実務講習会☆2012/01/22 21:41

1月初旬にスポーツファーマシストの実務講習会があり、参加してきました☆

2012年度に世界的に定められているアンチドーピングの制度
がどう変わったのか説明を受け、その後、なんと、地元のプロサッカーチームのチーフトレーナーの方の貴重なお話を聞くことができました。

プロのチームには、ちゃんとスポーツドクターが付いておられるので、重い疾患やけが、持病についてはしっかり診てもらうことができるそうです。
処方される薬についても、もちろんドーピング検査に引っ掛からないように配慮されているため、それを服薬する際は安心して飲むことができます。

しかし、お医者様に診てもらうほどではない程度の、風邪のひきかけ、軽い頭痛などの際、薬局にお薬を買いに行っても、どれが大丈夫なのかわからない。
購入したものが大丈夫かどうか選手がトレーナーに、トレーナーが薬剤師会にFaxで尋ね、返答もFaxで送られてくるという制度ができているそうです(知らなかった~)。
迅速に対応しても、やはりタイムラグが生ずるもの。

結局、手当てが遅れたため、体調が思いのほか悪くなってしまった、というケースもあったそうです。

なので、全ての薬局にドーピングについて知識のある薬剤師にいてもらいたい、全ての処方医にドーピングについて理解しておいてもらいたい、というのが望みだとのことでした。

お話を聞いて感じたのが、ドーピング検査が選手に非常なストレスになっていること、それを見守るトレーナーやスタッフの、何とかしてやりたいという気持ちの大きさでした。

写真と本文はほぼ無関係なのですが、
これは私が摂取している某サプリメントです。

サプリメントとドーピング
不足していると感じたものについて、簡単に手に入れて、口に放り込んでいます。

しかし、プロの選手は、普段から体調を整えるために食事をはじめ、生活態度などのいろんな節制を行っています。
サプリメントで栄養を補う際も、それがドーピングにかかってはいけないので、非常に慎重になり、結局その栄養を補充せずに過ごすこともあるのではないかと思います。
本当にストイックに生活しているのに、私たち薬局側が、十分な知識を備えておらず、サポート体制をととのえていないがために選手の皆さんの生活をより厳しいものにしているのではないかと思いました。

もっと選手の方に快適に体調管理をしてもらうため、春に晴れてスポーツファーマシストになれたら、ガンガン協力していきたいなと思った次第です。

スポーツファーマシスト認定基礎講習会!2011/07/25 18:33

神戸で行われたスポーツファーマシスト認定基礎講習会へ行ってきました!
スポーツファーマシストになるためには、この講習を受けて、都道府県別の実務講習会を受けて、そして試験を受けて、合格しないといけません。

その第1段階にようやく足を踏み入れることができました!
会場入り口の写真です。
スポーツファーマシスト認定基礎講習会
前にお話ししましたが、スポーツファーマシストとはスポーツ選手やスポーツ愛好家の方に薬の正しい知識を伝えたり、アンチ・ドーピングや薬に関する健康教育の啓発・普及に努める役目を担う、薬剤師のことです。
神戸の会場には600人もの薬剤師が各地から集まり、皆さんの真剣な態度に熱意を感じました。
この度の講習会では、現場で活躍されている方々が、講師としてお話し下さり、スポーツファーマシストとして必要な知識や心構えを勉強させていただきました。
また、三段跳びでオリンピック出場経験があり、現在大学で陸上のコーチをされ、ご自身もトレーニングを積んでおられる杉林 孝法さんの講演もあり、かなり盛りだくさんの講習内容でした。

杉林さんの言葉の中で、
「どうして今までスポーツファーマシストという人たちがいなかったのだろう、身近に相談できる人がいてくれたら、どんなによかっただろう」
というのが本当に印象的でした。
試合直前に「ドーピング禁止物質を含まない薬リスト」の載っている冊子を片手に薬局へ行き、そこで思ったものが無かったり、あったとしても本当に大丈夫かどうか自信がなくて、それを購入せず、体調不良のまま試合に臨む選手が実際にいるのだというお話でした。

そんな時、気軽に頼ってもらえる存在になりたい、と心から思いました。

また、ほかの講師の皆様からも、都道府県の、国体レベルの選手を育てておられる学校から、啓蒙活動しないといけない、というお話も頂き、感銘を受けました。

私もスポーツ選手の役に立てるかもしれない、夢に一歩近づいた気分で会場を後にしました。

たんぱく同化ステロイド2011/06/15 13:13

昨日のニュースはショッキングでしたね。
オリンピックに期待のかかった選手が、ドーピング検査で資格停止処分を受けてしまいました。
問題となった、ドロスタノロンは、たんぱく同化ステロイドの一種です。
これは、選手が競技中であるかないかにかかわらず、絶対摂取してはいけないと定められた薬物です。

今回はたんぱく同化ステロイドについてお話します。

皆さん、性ホルモンはご存知と思います。男性ホルモン、女性ホルモンですよね。
たんぱく同化ステロイドは、塗り薬でよく目にする「ステロイド」ではなくて、実は男性ホルモンから派生したものなのです。

男性は、二次性徴の際、骨格が発達して、筋肉がしっかりついた、いわゆる男らしい体格になりますよね。
そのとき働いているのが男性ホルモンです。
(余談ですが女性にも少しは存在しています。逆に男性にも女性ホルモンはあります。)
そして、いわゆる男性器に働きかけたり、髪を薄くしたり、といった男性化作用をできるだけ取り除いて、骨格や筋肉を増強させる作用が強くなるように作られたものがたんぱく同化ステロイドです。

日本の臨床では難治性の貧血、ひどいやけどなどによる怪我や小人症などの治療目的で使用されることがありますが、それ以外で見かけることはほとんどありません。

しかし、インターネットなどでは多数の海外のサイトでたんぱく同化ステロイド入りサプリメントが売られています。
筋肉がつく、力が強くなる、男らしい体つきになる、といった売り文句を見ると、ついつい手が出てしまう方もあるのかも。

たんぱく同化ステロイドには強い副作用があります。男性ホルモンと同様、前立腺がん増悪、排尿障害、女性には多毛症など、精神的な部分も含め、たくさんの副作用があります。

しかし、たんぱく同化ステロイドにより筋肉を得たとしても、ボディービルダーの方は別かもしれませんが、それがパフォーマンスの向上に結びつくかどうかについては疑問の声もあります。
危険を冒して得たものに対して代償が大きすぎます。

日本の選手の皆様は、これまでと同様、こういう薬物に頼ることなく、ストイックに競技に向かっておられると思っていましたので、病気にかかった際、うっかり禁止薬物を手に入れないように、私たちが気をつければよいと思っておりましたが、
この一件で、いまだ、ドーピングの代表薬物と言っても良い、たんぱく同化ステロイドに手を出してしまう状況、手を出せてしまう現状をまざまざと見せ付けられてしまった気がします。

私たちがより身近に相談できる相手として、もっと声を上げていかなければいけないと気が引き締まる出来事でした。