おでき ― 2013/07/03 17:37
毎年この時期に非常に美しい姿を見せてくれます。
病院に特別に許可をもらって、掲載させていただきました。
![](http://nakayoshi.asablo.jp/blog/img/2013/07/03/2a5cf8.jpg)
いろんな悩みを抱えて患者さんが訪れます。
でも、なぜか、このところ「おでき」を取りにお越しになる患者さんが多かったので、ちょっと取り上げてみました。
医学的には、おできと言うと、癤(せつ)という一つの疾患をさします。癤は、毛根の中に細菌(おもに黄色ブドウ球菌)が感染し、化膿し、腫れてしまう病気です。重症な時は病院で、膿(菌の死がいと、菌と戦った白血球の亡骸があわさったもの)を切開して出してもらいます。
中身は、膿であることもありますが、脂肪の塊や、垢がたまっていたりすることがあります。ちなみに、おしりにできる「イボ痔」のことも、「おでき」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。
だいたい、切開してもらって、中をきれいに出してもらうことが多いので(イボ痔はイボごと取っちゃいますが)、その後、化膿止めとして、抗生物質が(胃の弱い方には、胃薬がセットで)処方されます。
いつも言うことなのですが、「抗生物質は、決められた通り、最後まで飲んで下さい。きれいに治ったように見えても、中途半端に菌が残ってしまうと、その菌は今度強くなって増えてきますよ。」耐性菌が増えないためにも、要らない菌は徹底的にやっつけましょうね。
以上、「おでき」あれこれでした。
アトピー? 湿疹? じんましん? ― 2013/07/11 13:25
![](http://nakayoshi.asablo.jp/blog/img/2013/07/11/2a8dae.jpg)
ジェネリック医薬品、TPPと関係ある? ― 2013/07/18 12:52
刺すような日差しと、時にバケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨。お空は情緒不安定です。みなさま。いかがお過ごしでしょうか。
薬局のグリーンカーテン、心配しておりましたが、なんとか、朝顔がつるを伸ばしてくれて、写真のように成長してきています。
青紫のまだら模様のアサガオ、これは去年から植えていますが、とてもきれいと、患者さま方に人気です。種を取っておくと、喜んで持って帰って下さいます。
欲しい方は、お早めに。
左下の写真はポーチュラカです。花壇で、八重の、可愛い花をつけてくれています。
![グリーンカーテン、ちょっと伸びました グリーンカーテン、ちょっと伸びました](http://nakayoshi.asablo.jp/blog/img/2013/07/18/2abbd7.jpg)
主に騒がれるのは「農業」です。
でも実は、「医療」も大いに関係しているようなのです。うちは薬局ですから、薬メインでお話しします。
ジェネリック医薬品、聞いたことありますよね?
有名な女性司会者さんとか、時代劇俳優さんとか、宣伝してますよね。
簡単に申し上げますと、特許の切れた薬(成分)と同じ成分で、最初開発した会社(先発メーカー)と違う会社(ジェネリックメーカー)が同様の薬を製造販売するものです。開発費用が先発メーカーと比較して、とても安価で済みますので、薬価(国の決める薬の値段)が非常に安く付きます。
同じ成分だから、同じような効果が発揮されますので、患者様によって、「安いなら、そちらで」とジェネリックを選ばれる方もあれば、
添加剤が違う関係で効き目に差を感じたり、味が違ったり、などの理由で「先発品が良い」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
先日の新聞にも載っていましたが、TPP会議で、ジェネリック医薬品に関連する交渉が難航しています。
アメリカやイギリスなどの国では、保険制度が日本ほど手厚くないので、患者の自己負担額が比較的多く、ジェネリック医薬品の普及率が非常に高い状態です。先発メーカーは、政府に働きかけて、特許や知的財産の所有権をもっと強くしてもらいたいと言っています。そうすれば、簡単にジェネリック医薬品が作られないからです。先発メーカーは利益を確保できます。
その主張がそれらの国で認められた場合、ジェネリックメーカーは、簡単にジェネリックが作れない、または非常にコストのかかるジェネリック医薬品の開発を行わないといけなくなり、結果として薬の値段が上がることに。
今のままTPPが成立すると他国もそれに従うことになります。
そういったことで、たくさんの人に薬を提供したい開発途上国はじめ各国の反対を買って、交渉が難航しています。エイズのお薬など、ホントに高いですから。
しかし、日本の場合、ジェネリックが欧米ほど普及しないのは、先発メーカーと医師(会?)との癒着が露呈しているからだ、という意見もあるようで、TPP成立以前の問題が指摘されていることもあります。
お薬、安い方がいいですか?
きっと、そうですよね。
でも先発メーカーを守って、お金を渡してあげないと、難病治療に効果のあるような革新的な医薬品の開発って、出来ないのかな?
私にも答えが出ません。
脱水症とスポーツ飲料、経口補水液 ― 2013/07/25 13:01
西日本では毎日暑く、連日熱中症の患者様がお越しです。
私も出掛ける前には塩飴を口に含み、熱中症対策です。
今日はめずらしく、花や虫の写真ではありません。
OS-1、今年はテレビでコマーシャルを見かけるようになりました。
大塚製薬さんが出している、経口補水液です。
スポーツドリンクではありません。
![](http://nakayoshi.asablo.jp/blog/img/2013/07/25/2ae72a.jpg)
経口補水液、ORS(Oral rehydration solution)がずいぶん昔から発売されていました。わたしが6年前にインドに行った際、タブレット型のORSが販売されており、簡単に購入出来るようになっていました。水に溶かしたり、そのまま口に含んだり、一般の人々が気軽に使用していました。
その点、日本はここにきて熱中症が騒がれるようになったため、やっと、OS-1に代表される経口補水液が普及してきた感があります。ちょっと遅れています。
去年から、なかよし薬局では、OS-1をお勧めしてまいりましたが、あまり普及しませんでした。なぜでしょう。おいしくないからです。
一時ブームになった、「海洋深層水」、飲んだことある方、独特のえぐみのようなものを感じたかもしれません。海水を彷彿させる、味。
OS-1もそれに近い味がします。
なぜなら、海洋深層水同様、ミネラル成分が豊富に含まれているからです。
OS-1を同じ大塚製薬さんのポカリスエットと比較してみると、
ナトリウムは2.3倍、カリウムは3.9倍、マグネシウムは4倍、塩素は3.0倍含まれています。
それから、OS-1のカロリーはポカリスエットの2.5分の1です。
ポカリスエットは汗を大量に掻くスポーツなどの際に使用されます。現在は熱中症予防で飲んでいる方も多いでしょう。ただし、砂糖や液糖を多く含み、カロリーが高いので、たびたび飲むことで虫歯や肥満の原因になったり、おなかがいっぱいで食欲が落ちたりするかもしれませんね。熱中症予防と言うより、やっぱりスポーツ向きかな?と思います。
新しく出ている、ポカリスエットイオンウォーター、というのがあります。ミネラルは同じくらい(ナトリウムに関してはイオンウォーターの方が多いですね)、カロリーは半分以下に抑えられていますので、ちょっとした発汗や熱中症予防には、こちらの方がいいかもしれません。
それから、コカコーラさんが出しているアクエリアスも、ポカリスエットをしのぐ売れ行きで、有名です。ポカリスエットより、甘みが少なく、おいしいという人が多いのかもしれません。飲みやすいですが、ミネラル含有量をみるとポカリスエットの方が多いようです。
アクエリアス・ゼロというのもありますので、これも虫歯や肥満などの対策にはいいかもしれませんね。
というわけで、脱水による電解質をいち早く補充したい時は経口補水液、予防的に飲むならスポーツドリンク、といった使い分けをお勧めします。
わたくし事ですが、先日、疲れがたまっているときに、そんなに汗もかいていないのに、ひどい頭痛に襲われ、痛み止めを飲んでも全然改善しなかったのに、塩飴を口に入れた途端改善しました。軽い熱中症だったようです。
気付かないうちに、この暑さで、熱中症になっているかも知れませんので、頭痛、筋肉のつり、そういった症状が見られたら、塩、ミネラルの補給をしてみて下さい。
みなさま、猛暑の候、ご自愛くださいませ。
食べ物と脳~食べ物と、こころ(脳)の病気~ ― 2013/07/30 12:41
![薬局とこども 薬局とこども](http://nakayoshi.asablo.jp/blog/img/2013/07/29/2b02ad.jpg)
先日、玉野の病院で精神科、プライマリケアの医師として活躍されている、青井 一展(あおい かずひろ)先生の講演を聞く機会があり、非常に身近で、非常に取り組みやすいこころとからだの健康対策を勉強することができましたので、これから、3回に分けてご紹介していきたいと思います。
「こころ」はどこにあるでしょう。心臓と考える方もあるかもしれませんが、今のところ、脳が「こころ」をつかさどると考えられているようです。
近頃、うつ病、発達障害(AD/HD、自閉症など)、たくさんの問題を抱える、子ども、大人が増えています。
青井先生(青井医院 http://syunyo-aoi.jp/)は、そういった問題に、食べ物からのアプローチで立ち向かっていらっしゃいます。
もちろん、必要な薬はお使いですが、「私たちは私たちの食べたものでできている」というお考えで、食べ物から考え直すことで、効果を実感していらっしゃいます。
今回は、脳と食べ物に関連するお話をまとめますが、次回は、食べ物と免疫(アレルギーも含め)について、そして最終回はメタボ世代の大人が一番気になる(かもしれない)、ダイエットに関連する糖や油、健康に生活するための食事全般についてのお話をまとめたいと思います。
さて、「こころ」をつかさどる「脳」。脳は神経細胞の塊です。
神経細胞の構造は、ウィキペディアなどでも簡単に調べることができますが、たくさんの突起のある(根と枝がある木のような感じ)形をしています。そして神経細胞は、それぞれ次の神経細胞へとつながっています。
その突起から、別の神経細胞へ、直接くっつくわけではなく、小さな隙間をあけて近接しています。
神経伝達物質というものが、その隙間へ放出され、次の神経細胞に信号を送ります。
神経伝達物質にはいろいろありますが、それぞれの、多い、少ない、で、「認知症」、「うつ病」、「統合失調症」が起こります。
神経伝達物質は、食べ物から摂取した栄養素から脳内で合成されます。
もとは、自分が食べたものが原料となって作られるわけですから、やっぱり、食べ物を変えたら、伝達物質がコントロールできそうな気がしませんか?
神経伝達物質を体の中で合成するとき、アミノ酸はもちろん、マグネシウム、鉄や銅などのミネラルや、ビタミンB群といったものが必要です。
食べずして、得られない栄養素です。自然からとれた、新鮮な食べ物、大事です。
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