夏痩せ?夏太り? ― 2013/08/08 14:00
腸と脳のための栄養素 ― 2013/08/01 12:51
とうとう青井先生のお話最終回です。
今回は、前置きは無しで、一番知りたい、栄養素の話をしたいと思います。
さて、こころを病むと、体や生活そのものにも大きな影響を与えます。
脳アレルギーには4つのタイプが考えられています
1.食物アレルギータイプ(即時型アレルギータイプ)
2.偏食タイプ(遅延型アレルギータイプ…大好物が危険!?)
3.腸管環境タイプ(腸粘膜の状態で、アレルギー発生)
4.砂糖アレルギータイプ(甘いもの、お好き?)
それぞれを調べるには、簡単なチェックシートがあるのですが、それは是非、青井先生にご相談くださいね(http://syunyo-aoi.jp/)。
もともと、アレルギー体質の方は1.
偏食気味だったり、嗜好が最近ガラッと変わったり、毎日決まったものを欠かさず食べている人は2.
抗生物質をよく飲んだり、母乳が少なかったり、離乳食スタートが早かった人は3.
穀類が好き、甘いものが好き、食後に眠くなるような人は4.
という傾向があるようです。
~腸と脳のための栄養素~
タンパク質・脂質・糖質・ヘム鉄・ビタミンB群・ビタミンA・ビタミンD・ラクトフェリン・プロバイオティクス・グルタミン
食品成分表を見たらどんなものにこういった栄養素が含まれているか、特にビタミン類はわかると思いますが、
ここでは、脂質・糖質・ヘム鉄・ラクトフェリンについて少し掘り下げてお話します。
脳に良い脂質
・コレステロール(!?)…少なすぎはダメということです。だって、神経細胞の膜を作るのに、必要な成分ですから。
・ω3(オメガスリー)系の油…魚油に含まれるEPAやDHA、シソ油、亜麻仁油(アマニ油)。体に悪い油を溶かしだしてくれますよ。
糖質
・GI値、GL値の少ないもの…要するに、未精製食材(玄米、全粒粉など)。インスリンを誘導しにくい→低血糖を起こさない、糖質です。表示されている市販食品もあります。
・血糖値を急にあげる食べ物を避ける…インスリンが大量分泌→低血糖になる→さらに甘いものを食べる→さらにインスリンが出る→・・・・悪循環(肥満にもつながります。)
・甘いお菓子、ジュース、果物ジュースも注意!
ヘム鉄
・動物性食品!これに限ります。植物性食品(ホウレンソウなど)はヘム鉄を持たないため鉄に関しては吸収がとても悪いのです。
・起きられない、落ち着きがない、集中できない、キレやすい、授業についていけない…ヘム鉄不足かも!?
ラクトフェリン
・初乳に高濃度含まれ、腸内環境を整える作用あり。…大人はサプリメントによる摂取です。
・食間に摂取するのが有効なようです。
長くなりましたが、
まとめとして
・食べる順番は、食物繊維→タンパク質→糖質
・インスタント食品、ジャンクフードを避ける
・毎日同じものを食べ続けないように
・GI値を知りましょう(ネットでも簡単に調べられます。砂糖×、ジャガイモ×、精白米×)
・脳に良い油、悪い油を知りましょう
・食事は、皆で、楽しく、ゆっくりと、腹八分で
ということでございました。
食べ物は、体だけではなく、こころも変えてくれます。
皆様の、食生活の、ヒントになれば、私も嬉しいですし、青井先生もきっと喜ばれることでしょう。
私は今回の学びを通じて、大地、海から得られる、栄養、ミネラルの重要性を再確認した気がします。
畑の良質な土で育った新鮮な野菜を食べること、同じく良質な土で育った牧草を食べて大きくなった動物の肉を食べること、海で育った魚を食べること。
農薬を避けるため、洗い落とす必要のない栄養素まで、洗ってしまっている今日。はやく誰もが良質な食事を手軽にできる時代になってもらいたいものです。
下の写真は薬局のグリーンカーテンで実った白ゴーヤと、その受粉を手伝ってくれているヤマトシジミです。無農薬です。夏の終わりごろにはたくさんの虫食いの跡のあるゴーヤが育ちます。それでいいんだな、って思いました。
免疫、体のバリア、大切に ― 2013/07/31 12:48
昨日はこちら晴れの国岡山でも、朝から激しく雨が降り、雷がたくさん落ちる、大嵐でした。梅雨の戻り、らしいですね。
おかげさまで、グリーンカーテンの朝顔が日光でしおれず、出勤時にかわいい花を開いていてくれます。
さて、昨日の続きです。今日は、「免疫、バリア大切に」とタイトルにあるように、アレルギーを起こしやすい食べ物が、どのようにして人の体(脳)に侵入するのか、そしてそれが心に及ぼす作用についてお話します。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、我々の脳は、いろんな化学物質が簡単に入れないように、守られています。
脳の入り口には、血液脳関門(BBB:blood
brain barrier)という、関所があり、非常に小さく分解されたものか、脳のために必要なものしか入れない構造になっています。
なので、普通は、簡単には脳に食べ物由来のたんぱく質は入れません。
でも、生まれたての赤ちゃんはどうでしょう。
じつは、BBBができ始めるのは生後6か月から。完成するのは生後12か月、一歳までは脳への関門が緩い状態になっているのです。
そこへ、牛乳由来のカゼイン、小麦粉由来のグルテンが侵入した場合、どうなるか。
なんと、カゼインやグルテンはあの麻薬で有名な「モルヒネ」と構造が類似しているため、「モルヒネ」と同様の働きをしてしまう可能性があります。
そのような子供たちがAD/HD様の症状を示すとしたら…。
脳内で、カゼインやグルテンのアレルギー反応が何年も継続して起こるとすれば…。
実際、牛乳の摂取を制限、カゼインフリーの食事療法で発達障害の症状が改善してきたということが起きているそうです。
そして、腸管免疫というのがあります。
腸(特に小腸)には、小さなものしか通さない、という性質があります。大きな分子であるタンパク質は、普通吸収されないのですが、
栄養不足や抗生物質の影響で、その網の目が大きくなっていると、大きな分子を通してしまい、それがアレルギーの原因となります。
赤ちゃんの腸は、まだその機能が未熟です。
離乳食を早く始めてしまい、
未熟な腸を通り過ぎて外からやってきた、大きなタンパク質。BBBが未熟なら脳にも流れてやってきます。
体はそれをやっつけようとして免疫細胞(白血球など)をフル回転。
これが、アトピーやその他のアレルギーを引き起こす原因??
近頃、言われるようになってきましたね。花粉症には、ヨーグルト。
アレルギーを防ぐには、プロバイオティクスも非常に有効な手段でしょう。
単純に、栄養不足で、脳に影響の出るものもあります。
鉄欠乏→記憶力の低下、学習困難…発達障害と疑われてしまうかも。
低血糖→多動…AD/HDと疑われてしまうかも。
こういうわけで、長くなってしまいましたが、食べ物と、脳、そしてアレルギーは密接に関係しています。
食べ物と脳~食べ物と、こころ(脳)の病気~ ― 2013/07/30 12:41
先日、玉野の病院で精神科、プライマリケアの医師として活躍されている、青井 一展(あおい かずひろ)先生の講演を聞く機会があり、非常に身近で、非常に取り組みやすいこころとからだの健康対策を勉強することができましたので、これから、3回に分けてご紹介していきたいと思います。
「こころ」はどこにあるでしょう。心臓と考える方もあるかもしれませんが、今のところ、脳が「こころ」をつかさどると考えられているようです。
近頃、うつ病、発達障害(AD/HD、自閉症など)、たくさんの問題を抱える、子ども、大人が増えています。
青井先生(青井医院 http://syunyo-aoi.jp/)は、そういった問題に、食べ物からのアプローチで立ち向かっていらっしゃいます。
もちろん、必要な薬はお使いですが、「私たちは私たちの食べたものでできている」というお考えで、食べ物から考え直すことで、効果を実感していらっしゃいます。
今回は、脳と食べ物に関連するお話をまとめますが、次回は、食べ物と免疫(アレルギーも含め)について、そして最終回はメタボ世代の大人が一番気になる(かもしれない)、ダイエットに関連する糖や油、健康に生活するための食事全般についてのお話をまとめたいと思います。
さて、「こころ」をつかさどる「脳」。脳は神経細胞の塊です。
神経細胞の構造は、ウィキペディアなどでも簡単に調べることができますが、たくさんの突起のある(根と枝がある木のような感じ)形をしています。そして神経細胞は、それぞれ次の神経細胞へとつながっています。
その突起から、別の神経細胞へ、直接くっつくわけではなく、小さな隙間をあけて近接しています。
神経伝達物質というものが、その隙間へ放出され、次の神経細胞に信号を送ります。
神経伝達物質にはいろいろありますが、それぞれの、多い、少ない、で、「認知症」、「うつ病」、「統合失調症」が起こります。
神経伝達物質は、食べ物から摂取した栄養素から脳内で合成されます。
もとは、自分が食べたものが原料となって作られるわけですから、やっぱり、食べ物を変えたら、伝達物質がコントロールできそうな気がしませんか?
神経伝達物質を体の中で合成するとき、アミノ酸はもちろん、マグネシウム、鉄や銅などのミネラルや、ビタミンB群といったものが必要です。
食べずして、得られない栄養素です。自然からとれた、新鮮な食べ物、大事です。
脱水症とスポーツ飲料、経口補水液 ― 2013/07/25 13:01
西日本では毎日暑く、連日熱中症の患者様がお越しです。
私も出掛ける前には塩飴を口に含み、熱中症対策です。
今日はめずらしく、花や虫の写真ではありません。
OS-1、今年はテレビでコマーシャルを見かけるようになりました。
大塚製薬さんが出している、経口補水液です。
スポーツドリンクではありません。
経口補水液、ORS(Oral rehydration solution)がずいぶん昔から発売されていました。わたしが6年前にインドに行った際、タブレット型のORSが販売されており、簡単に購入出来るようになっていました。水に溶かしたり、そのまま口に含んだり、一般の人々が気軽に使用していました。
その点、日本はここにきて熱中症が騒がれるようになったため、やっと、OS-1に代表される経口補水液が普及してきた感があります。ちょっと遅れています。
去年から、なかよし薬局では、OS-1をお勧めしてまいりましたが、あまり普及しませんでした。なぜでしょう。おいしくないからです。
一時ブームになった、「海洋深層水」、飲んだことある方、独特のえぐみのようなものを感じたかもしれません。海水を彷彿させる、味。
OS-1もそれに近い味がします。
なぜなら、海洋深層水同様、ミネラル成分が豊富に含まれているからです。
OS-1を同じ大塚製薬さんのポカリスエットと比較してみると、
ナトリウムは2.3倍、カリウムは3.9倍、マグネシウムは4倍、塩素は3.0倍含まれています。
それから、OS-1のカロリーはポカリスエットの2.5分の1です。
ポカリスエットは汗を大量に掻くスポーツなどの際に使用されます。現在は熱中症予防で飲んでいる方も多いでしょう。ただし、砂糖や液糖を多く含み、カロリーが高いので、たびたび飲むことで虫歯や肥満の原因になったり、おなかがいっぱいで食欲が落ちたりするかもしれませんね。熱中症予防と言うより、やっぱりスポーツ向きかな?と思います。
新しく出ている、ポカリスエットイオンウォーター、というのがあります。ミネラルは同じくらい(ナトリウムに関してはイオンウォーターの方が多いですね)、カロリーは半分以下に抑えられていますので、ちょっとした発汗や熱中症予防には、こちらの方がいいかもしれません。
それから、コカコーラさんが出しているアクエリアスも、ポカリスエットをしのぐ売れ行きで、有名です。ポカリスエットより、甘みが少なく、おいしいという人が多いのかもしれません。飲みやすいですが、ミネラル含有量をみるとポカリスエットの方が多いようです。
アクエリアス・ゼロというのもありますので、これも虫歯や肥満などの対策にはいいかもしれませんね。
というわけで、脱水による電解質をいち早く補充したい時は経口補水液、予防的に飲むならスポーツドリンク、といった使い分けをお勧めします。
わたくし事ですが、先日、疲れがたまっているときに、そんなに汗もかいていないのに、ひどい頭痛に襲われ、痛み止めを飲んでも全然改善しなかったのに、塩飴を口に入れた途端改善しました。軽い熱中症だったようです。
気付かないうちに、この暑さで、熱中症になっているかも知れませんので、頭痛、筋肉のつり、そういった症状が見られたら、塩、ミネラルの補給をしてみて下さい。
みなさま、猛暑の候、ご自愛くださいませ。
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