なかよしやっきょく のブログ
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日光と脳の関係 おはよう、おやすみ2013/10/09 15:41

台風一過で、岡山は今朝、写真のような快晴でした。
近くを早く通り過ぎる雲、遠くをゆっくり動く雲。その対比が、空の立体的な大きさを感じさせてくれます。
嵐の後、こんな快晴だと、元気になります。そんな方が多いと思いませんか?
お天気の日に元気になるのは、もちろん気圧の関係もあります。
気圧が低いと頭痛がしたり、関節が痛くなったりする方も多いでしょう。
でも今回は光に焦点を当ててお話します。

近頃、セロトニンという名前をよく聞きませんか?
脳の覚醒(おきている)状態や、元気な気持ちを生み出す神経伝達物質として知られており、うつ病治療でも古くから注目されています。

朝日を浴びると元気になる。そのメカニズム。
光は目から入ってきます。光を感じると、視神経を通じて脳に信号が入ります。
信号が入ってきたら、脳の、脳幹(のうかん)という部分の、橋(きょう)という場所にある、縫線核(ほうせんかく)という部位で、セロトニンが生まれます。

朝から日光を浴びることで、その日一日に必要なセロトニンが合成され、一日を元気に過ごすことができるのです。
悩みがあるのに、光に当たらないと、悶々とした気持ちが続くかもしれませんね。
ふさぎ込んでも、外に出かけることが大事なのでしょう。
逆に、メラトニンという物質があります。メラトニンはセロトニンを材料に作られるもので、光刺激で製造がストップしています。なので、夜にセロトニンが沢山余っていると、メラトニンができます。メラトニンは、眠りに都合のよい生理活性を持っていて、眠るときに体液中に出てくるから、よく眠れます。
日中、光刺激をちゃんと受けると、夜もちゃんと眠れる。
上手いこと出来ていますよね。

ちなみに、セロトニンは、トリプトファンと必須アミノ酸(食べないと得られないアミノ酸)と、ビタミンB6で合成されます。
トリプトファンは、バナナ、大豆製品、乳製品、肉類などに多く含まれますので、しっかり、そういった食べ物をとることもおすすめですね。
ビタミンB6は、赤身の魚や肉類などに含まれますが、基本的に腸内細菌が合成してくれますので、不足することはなさそうです。
というわけで、光と脳の関係、一部ですが、ご紹介。
何かのお役に立てればうれしいです。

秋に気をつけること。おなか、血圧、大丈夫?2013/10/03 13:15

秋ですね。
台風も来たり、昼間暑いこともありますが、なかよし薬局周辺では、写真のように、秋の風景です。
柿がたわわに実り、田んぼは黄金色に輝いています。
実りの秋。
・・・お聞きしますが、食べ過ぎていませんか。
おなかがズボンの上に乗る量が増えてませんか?
何でもおいしいので、この時期本当に困ります。
それから、血圧、大丈夫ですか?寒いと血圧が上がってきます。

患者さんも、ひと月前に比べて、お顔から首にかけるラインが違っている方もいらっしゃったり、「血圧が高くなってきた」とおっしゃる方もちらほら出てきました。
涼しいと食欲が出ます。
食べたくなるのですよね。食べると、エネルギー(熱)が出ますから、夏の間、それをセーブしてたのに、涼しくなってきたもんだから、食欲の門が開いてしまいます。
メタボリックシンドロームの根っこには、『肥満』の二文字があることを念頭に、しっかりお食事制限しましょう。
今頃は、何を食べたらいけないか、よりも、どういう順番で食べればよいのか、と良く言われるようになりました。
生野菜→温野菜→たんぱく質(肉、魚、大豆)→糖質(ごはん、パン、めん、ジャガイモなど)
なぜこの順番でしょう。
野菜には食物繊維が含まれ、それは油や糖の吸収をゆっくりにする作用があります。生野菜ならでは多く含まれるビタミンが壊れる前に食べましょう。だから生野菜が一番です。
最後、脂肪のもとになるのが糖質。たくさんのものにあらかじめ吸収への道をブロックしてもらってからおなかに入れます。
どんぶり(おかずかけご飯)はダメですよ。
本当にそれだけで太り方が違ってきます。
そうそう、果物、太りますから、夜は食べないで!

それから、血圧はどうして寒くなると高くなるのでしょう。
寒いと、体の表面から体温を逃さないようにするために、表面近くの血管が縮みます。狭くなった血管に、無理やり血液を送り込もうとするので、圧力がかかってしまうのですね。
ちなみに、体温(体の熱)は肝臓、骨格筋で作られます。
肝臓はたくさんの酵素でいろんなものを作ったり分解したりする「化学工場」ですから、工場から発生する熱がすごいんです。
筋肉は、エネルギーでもって大きな体を動かすわけですから、熱が出るのもわかります。
筋肉が減ると、体温も減ります。
食べて寝てばかりだと、肥満も、筋肉量の低下も引き起こし、この冬大変なことになりますから、今の間に、食べ方に気をつけ、しっかり体を動かし、冬を元気に越しましょう!

からだの治療、こころの力2013/09/25 14:05

こちら岡山では、お日様のある間は暑い、日が続きます。
でもようやく明日から涼しくなるとの予報が。風邪には気を付けないといけませんが、ちょっと助かりました。
近頃、薬局付近では自生のテッポウユリ?タカサゴユリでしょうか?可愛らしいユリを見かけるようになりました。
写真のゆりは、私の駐車場所に突如あらわれたお姫様です。
轍に生えているので、踏まないようにしないと…と緊張しています。
駐車場のゆり
こんなところに生えるわけない、という先入観が、ユリの出現に対する驚きを大きくしました。

先入観。タイトルにある「こころの力」に対する強敵です。
患者の皆様の心の中に、こんな先入観があったら。
「こんな薬を飲んだってどうせよくならないのだろう。」
「とうとう血圧の薬を飲まなきゃいけなくなった。一生飲み続ける薬だよな。」
「こんな病気になっちゃったら、先は短いな。」
「薬を飲んでも効いた気がしないし、どうせ変わらないなら飲まなくてもいいか。」

薬学生はみんな習う、「プラセボ効果」というのがあります。
プラセボとは、偽薬のことで、患者の求める効果がない薬の事です。
それを、「よく効きますよ」とDr.が患者に渡した場合、信じた患者の体では、効くはずのない薬が効くのです。それがプラセボ効果です。
こころの力とはこのように現れます。
逆に、効果のある薬も「効かない」と言って手渡されたら、効きません。

治らない病気も「治る」と信じたら治るかもしれないし、治る病気も「治らない」と信じたら治らないかもしれません。
薬も「効く」と信じて飲んだら、効きます。病気だって「治る」と信じてみませんか。

実際、もう完治は無理だろうと思われる患者さんが前向きな服薬を続け、驚くほどの回復を見せるのを何度か目の当たりにしましたし、
真面目に薬を飲んでくれたら治ったはずなのに、「2,3回飲んで、効いた気がしないから」と服薬をやめてしまった方が、もっと重症になって戻って来ることもあります。

病気だけではなく、老化に対しても同じだと思います。いつまでも好奇心あふれ、色んなことに目を輝かせてチャレンジする人は、こころも、体も若いのです。

薬屋がこんなこと言うのは変かもしれませんが、今飲んでいる薬や、今患っている病気を減らしましょう。そのために、与えられた薬は信じて前向きな気持ちで飲んでください。
騙されたと思って、元気になった自分を想像して、一粒、一粒、信じて飲んでくださいね。

たばこの悪いところ。癌だけじゃないです。2013/09/18 13:27

朝晩涼しくなりましたね。
お昼は驚くほど暑くなりますが、そのアンバランスも相俟って、風邪の患者さんが増えてきました。
そんなこんなで、近頃なかよし薬局でも、写真のようなしょうが関連商品がよく売れるようになりました。
しょうが湯よく売れます
でも、最近とくに気になるのが、COPDの患者さんの増加です。
COPDは、禁煙のコマーシャルなどで見かけるようになったので、ご存知の方が多いかもしれませんが、呼吸が苦しくなる病気の一種です。慢性閉塞性肺疾患:Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略です。
たばこを吸うことが原因で起こります。

たばこを続けると、肺の筋肉や組織の弾力性がなくなり、固くこわばってきます。(見た目もピンクからグレーに変わりますが、それだけではないのです。)なので、息を吸おうとしても肺が膨らまない、息を吐こうとしても肺が小さくなってくれないのです。大隔膜(呼吸の時に動く筋肉の膜)がいくら頑張っても、肺が伸縮しないのです。
そればかりではなく、気管支が炎症を起こしているので、痰がたくさん出ます。
息が出来ない、痰が絡む。苦しいですよね。
階段で息切れ。それは老化だけが原因ではないかもしれません。

もちろん体に必要な酸素が入ってきませんので、そこからいろんな弊害が出てきます。全身性弱い炎症が起こった状態になりますので、正常では分泌されないいろんな伝達物質がさまざまなところから放出されます。
それにより、伝達物質を受けた組織が暴走し、
全身性の炎症、
貧血、
抑うつ、
筋肉の減少、
代謝性疾患(メタボリックシンドロームなど)、睡眠障害などが起こります。

最初は気管支を広げるお薬を使用します。
それでもたばこをやめない方も多いです。
改善が見られず合併症が出てきてどんどん薬が増えていきます。

酸素吸入をして睡眠をとるようになります。
酸素吸入の機械を借りて毎晩吸入する場合、月に10万円もかかると聞いたことがあります。
機会をつけると頭部を固定する感じになりますので、ほぼ眠れません。

これは困ります。
今後の人生をしっかり守るため、こうならないうちに、タバコを辞められる方が増えてくれるといいなと思う今日この頃です。

オリンピックとドーピング2013/09/11 12:44

2020年東京オリンピックが決定しましたね。
その瞬間をテレビでご覧になった方も多かったのではないでしょうか。
日本を盛り上げて、世界の人たちに恥ずかしくない大会を支えたいと思います。
決定した日の朝の番組で陸上の為末大選手が、「日本はドーピングが非常に少なく、クリーンなイメージがある。それも勝因の一つではないか。」と言っていたのが、印象的でした。
スポーツファーマシストのはしくれの私としては、この言葉に感銘を受けました。

さて、ドーピングの歴史ははるか昔紀元前に古代ローマのお医者さんが、選手に興奮剤を使用したという記録があるそうです。昔はコカの葉をかんだりしていたようですね。
その後の歴史ではアヘンなどの麻薬を競馬の馬に投与したり、カフェインを大量に摂取して選手を興奮状態に導いたり、そういうドーピングが行われていたようです。
近年のドーピングでは、使用薬品は興奮剤のみならず、自転車のアームストロングさんで有名になった、エリスロポエチンなどの造血剤や、、精神安定剤も集中力を高めるために使用されたり、そうそう、忘れてはいけないのが、最も多く検挙される、野球選手も多く使用していた、筋肉をしっかりつけるためのタンパク同化ステロイドや男性ホルモンなどがあげられます。今はそういう薬を隠すために使用される利尿剤なんかも禁止薬物に指定されたりしてます。禁止薬物は本当にたくさんあります。

日本人は確かに検挙されることが少ないようですが、1964年の東京オリンピックの際、「あがりどめ」としてうっかり精神安定剤を飲んだ選手が処分されたり、その後も「風邪薬」を飲んで、中に含まれる「興奮剤(メチルエフェドリンなど)」が検出されたりして、いわゆるうっかりドーピングで処分されるケースが見受けられます。
「強くなりたい」からやってしまうドーピングではないわけですね。

医療制度がきっちりしている日本では、簡単には処方箋なしで強くなれる薬は手に入りにくいのですが、スポーツドクターが少ないので、うっかりコーチが購入して与えた薬がだめだったなんて事があるのです。外国は逆にドクターが強くなる薬をわざと与えるケースもあるようですが…。

うっかりとは言ってもドーピングはドーピングです。ここをきっちり押さえて、クリーンなジャパンのイメージをしっかりと守っていきたいと思います。
スポーツドクターの少ない我が国、われわれスポーツファーマシストがいつでも相談に乗りますよ♪

さて写真は、秋に実っている白ゴーヤです。結構9月一杯取とれるのですが、この時期のゴーヤはなぜかとても苦い。だいたい苦すぎるときはゴーヤチップスにしてしまうのですが、何かほかにいい方法ないでしょうか?ご存知の方教えて下さいませ。
今年最後の白ゴーヤ